概要
現在、日本人の悪性腫瘍(がん)による総死亡率は3割を超えています。その有効な治療法として放射線治療があり、中でも重粒子線(炭素イオン線)による治療は高い線量集中性や腫瘍に対する高い致死効果から、腫瘍の周りに放射線に弱い組織がある中枢神経系の近く、あるいは周囲の組織をできるだけ保護したい場合にも利用できる為、通常の放射線治療では十分な効果が困難な腺がん系のがんや肉腫、更には酸素濃度の低いガンに効果が期待できます。放射線医学総合研究所(以下NIRS)では、重粒子治療計画や患者の位置合わせを始め、様々な研究のアプリケーションツールとしてPV-WAVEを使用しています。
課題
重粒子治療では、患者毎に綿密な治療計画が必要となります。治療計画では、事前に撮影されたCT画像から、放射線の3次元照射形状及び照射量を決定します。つまり、重粒子治療では治療計画の精度を上げる事が直接治療効果アップにつながるのです。また、治療にあたり患者の位置合わせを正確に行う事も治療効果を上げる為の重要な作業です。この様に患者毎に作成された治療計画と細かい作業により、患者毎のカスタムメイド治療が行われます。
ソリューション
ここでは、PV-WAVEがツールとして利用されている研究用アプリケーションをいくつかご紹介します。
(1) 3次元簡易画像ビュア 3D-MIST(Three Dimensional Medical Image Slice
Tool)
3D-MISTは、市販の標準的なパソコン上において、3次元のCTボリュームデータセットから注目したい任意断面を切り出し、簡単に動的な表示ができるビュアです(図1)。
3D-MIST は、数値解析等のソフトウエア開発環境を提供する ビジュアルニューメリックス社のPV-WAVE 上のアプリケーションソフトウエアとして作製されました。 PV-WAVEの開発環境が、短期間での試作を可能にしました。
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図1
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任意断面表示
DICOM形式のデータセットを読み込み、任意断面画像を表示することが可能です。特に治療の支援を目的に座標系の精度を重視し、任意断面・任意拡大率・任意ステップの画像生成にリアルタイムでのTri-linear
補間を用いています。
併進画像の動的表示
指定した面から手前または奥方向へ指定した間隔で連続表示するとともに、その中間ファイルからMPEGファイルを生成することが可能です。また指定した厚さのMIP画像も生成でき、これらを動的に表示できます。
回転画像の動的表示
任意断面内で指定した直線を回転軸として、指定した任意ステップ角度での回転断面像を連続的に表示できるとともに、その中間ファイルからMPEGファイルを生成できます。
動画画像の保存
プレゼンテーション用などにMPEG形式の動画ファイルを自動的に生成することが可能です。
(2) CT画像による患者位置決めでのズレ量自動検出プログラム
このアプリケーションは、治療計画に使用した3D-CTボリュームセット(図2) と、位置ズレ量を求めたい1枚のCT画像(図3)とを計算機上で自動比較し、3次元の患者位置ズレ量(6パラメータ)を計算します。
ここでは最適解の計算にSimulated Annealing
法を用い、さらにこれを短時間に異なるステップで繰り返すことにより、解の信頼性を評価しています。図4は、求めた最適解の誤差イメージです。このイメージにより、求めた解の精度を確認することができます。
(3) 眼球内の腫瘍照射時の位置合わせアプリケーション
このアプリケーションは、 照射位置で撮影したX線フラットパネル画像に対して、治療計画で作成した投影テンプレート画像(眼球上のマーカを投影;図6の赤輪郭)との位置比較を行い、患者眼球位置のズレ量を求めます。図6の黄色線はコリメータ輪郭、水色十字線はビーム座標系です。水色十字と黄色十字のズレが、眼球位置の並進ズレ量になります。
従来の眼球位置合わせでは、X線フィルム上でノギス等で計測していました。このアプリケーションでは、パソコンのモニタ上での簡単な操作で約
0.1 mm の分解能でズレ量を検出できます。
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図5
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図6
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業種
ライフサイエンス
アプリケーション
放射線療法
製品
PV-WAVE
放射線医学総合研究所(NIRS)は、放射線の生体影響とその機構放射線障害の診断・治療ならびに社会的対策、放射線や同位元素を用いた疾病の治療と診断などについて、様々な分野の専門家が協力して研究開発業務を遂行しています。
Key Benefits
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2次元、 3次元データの迅速な処理 |
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放射線療法の比較分析が可能 |
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強力な配列操作機能 |
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可搬性 |
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